「最近、シャワーの温度が安定しないな」「レバーが固くて回しにくい」「蛇口の根元から水がポタポタ漏れる」…そんなサーモスタット混合栓の不調を感じながらも、「まだ使えるから」と交換を先延ばしにしていませんか?実は、その放置が、後々もっと大きなトラブルと余計な費用負担を招く可能性があるのです。サーモスタット混合栓の内部には、温度を自動で調節するためのサーモスタットユニットや、お湯と水の量を切り替える開閉バルブといった精密な部品が組み込まれています。長年使用していると、これらの部品が摩耗したり、水垢やゴミが付着したりして、正常に機能しなくなってきます。これが、温度調節不良やレバーの不具合、水漏れといった症状を引き起こす原因です。温度調節が不安定な状態で使い続けると、急に熱いお湯が出て火傷をする危険性があります。特に小さなお子さんや高齢者のいるご家庭では、重大な事故につながりかねません。また、ポタポタ程度の水漏れでも、放置すれば水道代が無駄になるだけでなく、漏れた水が壁の内部に浸透し、カビや腐食の原因になることもあります。壁内部の補修が必要になると、単なる蛇口交換よりもはるかに高額な費用がかかってしまいます。さらに、不具合を放置し続けることで、内部部品の損傷がひどくなり、部分的な修理では対応できず、結局は本体ごと交換しなければならなくなるケースも少なくありません。本来なら、サーモスタットユニットやパッキンの交換といった比較的安価な修理で済んだかもしれないものが、放置したために高額な本体交換費用(製品代+工事費で数万円)が必要になってしまうのです。サーモスタット混合栓の寿命は、一般的に10年から15年程度と言われています。使用頻度や水質によっても異なりますが、もし長年使用していて不調を感じ始めたら、それは交換時期が近づいているサインかもしれません。早めに専門業者に点検を依頼し、必要であれば交換を検討することが、安全確保のためにも、結果的に余計な費用負担を防ぐためにも、賢明な判断と言えるでしょう。小さな不調を見過ごさず、早めに対処することが大切です。
放置は危険サーモ水栓故障と交換費用問題