お風呂の排水溝が流れにくくなった際、自分で掃除を試みる方は多いと思いますが、その構造を理解し、正しい手順で掃除を行うことが重要です。無理な方法で掃除をすると、部品を破損させたり、詰まりを悪化させたりする可能性があるため注意が必要です。まず、一般的なお風呂の排水溝の構造を見てみましょう。一番上には、髪の毛や大きなゴミをキャッチするための「排水カバー」や「ヘアキャッチャー」があります。これらは簡単に取り外せるようになっています。その下には、「排水トラップ」と呼ばれる部品があります。これは、排水管からの下水の臭いや害虫が上がってくるのを防ぐための重要なパーツで、通常は「封水」と呼ばれる水が溜まる構造になっています。排水トラップは、いくつかの部品(ワントラップ、筒状の部品など)で構成されており、多くの場合、分解して掃除することが可能です。掃除を始める前に、必ずゴム手袋を着用しましょう。排水溝内部は雑菌が多く、衛生的ではありません。まず、排水カバーとヘアキャッチャーを取り外し、付着した髪の毛やゴミを取り除きます。これらは、浴室用洗剤とブラシを使って洗い、ヌメリや汚れを落としましょう。次に、排水トラップを分解します。製品によって構造が異なりますが、多くの場合、回したり、引き上げたりすることで取り外せます。取扱説明書があれば確認するのが確実です。分解した排水トラップの各部品も、ブラシやスポンジを使って丁寧に洗浄します。特に、内側に付着したヘドロ状の汚れは、臭いの原因にもなるので、しっかりと掻き出しましょう。排水トラップがあった穴の奥、つまり排水管の入り口付近も、ブラシが届けば軽くこすり洗いしておくと良いでしょう。ただし、あまり奥まで無理にブラシを突っ込まないように注意してください。全ての部品の洗浄が終わったら、分解した時と逆の手順で、排水トラップを元通りに組み立てます。部品の向きやはめ込みが正しくないと、臭いが上がってきたり、水漏れの原因になったりすることがあるため、確実に元の状態に戻すことが大切です。最後に、ヘアキャッチャーと排水カバーを取り付け、水を流して正常に排水されるか、異臭がしないかを確認して完了です。この一連の掃除を定期的に行うことで、排水溝の詰まりや悪臭を効果的に予防することができます。
風呂排水溝の構造と正しい掃除ステップ