私が体験した風呂排水溝詰まりとの格闘
あれは、梅雨時のジメジメとした湿気がまとわりつくような日のことでした。いつものようにお風呂に入り、シャワーを浴びていたのですが、ふと足元を見ると、洗い場の水がなかなか引いていかないことに気づきました。くるぶしくらいまで水が溜まってしまい、まるで浅いプールのような状態です。「あれ?おかしいな」とは思いましたが、その日は疲れていたこともあり、まあ明日掃除すればいいかと軽く考えていました。しかし、翌日になっても状況は改善しません。むしろ、さらに流れが悪くなっているような気さえします。これは本格的にまずいと思い、排水溝の蓋を開けてみることにしました。蓋を開けると、まず目に入ったのはヘアキャッチャーにびっしりと絡みついた髪の毛の塊。うわっと思いつつも、ゴム手袋をしてそれを取り除きました。これで解決かと思いきや、水を流してみても流れの悪さは変わりません。問題はもっと奥にあるようです。排水トラップと呼ばれる、臭いを防ぐための部品をさらに分解してみました。そこには、ヘドロ状になった石鹸カスと髪の毛が、想像以上にこびりついていました。割り箸や古い歯ブラシを使って、できる限り掻き出そうとしましたが、奥の方まではなかなか手が届きません。市販のパイプクリーナーを使ってみることにしました。説明書に従って液剤を流し込み、指定された時間放置した後、大量の水を流してみます。しかし、結果は芳しくありませんでした。少しはマシになった気もしますが、根本的な解決には至っていないようです。途方に暮れかけた私は、最後の手段としてラバーカップ(スッポン)を試すことにしました。排水溝の口にラバーカップを密着させ、グッと押し付けてから勢いよく引き上げる、という動作を繰り返します。何度か繰り返しているうちに、「ゴボッ」という鈍い音とともに、何かが動くような感覚がありました。期待を込めて水を流してみると…おお!今度はスムーズに水が流れていきます!どうやら、ラバーカップの吸引力と圧力で、奥に詰まっていた汚れの塊が押し流されたようです。あの時の安堵感と達成感は、今でも忘れられません。この一件以来、私はこまめなヘアキャッチャーの掃除と、定期的なパイプクリーナーの使用を心がけるようになりました。排水溝の詰まりは、本当に厄介なものだと身をもって体験した出来事でした。