スタイリッシュなデザインと高い洗浄力、そして節水効果も期待できるドラム式洗濯機。人気が高まっていますが、その設置には縦型洗濯機とは異なる、いくつかの注意点があります。購入してから「設置できない!」とならないよう、事前にポイントを押さえておきましょう。まず、最も注意すべきはその「重量とサイズ」です。ドラム式洗濯機は、一般的に縦型よりも重く、奥行きも大きい傾向があります。製品によっては100kg近くになるものも。そのため、設置場所の床がその重量に耐えられるか、特に木造住宅の2階以上に設置する場合は、床の強度を確認することが推奨されます。サイズに関しては、本体の寸法だけでなく、ドアの開閉スペースを十分に確保する必要があります。ドアが壁や洗面台にぶつからないか、開いたときに人が通れるスペースがあるかなどを確認しましょう。次に、「搬入経路」です。重量がありサイズも大きいため、玄関から設置場所までの経路に十分な幅と高さがあるか、階段や曲がり角は通れるかを、購入前に必ず確認してください。場合によっては、クレーンでの吊り上げ搬入が必要になることもあり、その場合は追加費用が発生します。「防水パン」も重要なチェックポイントです。ドラム式洗濯機の多くは、その重量と振動のため、設置可能な防水パンの種類が指定されている場合があります。一般的な浅い防水パンでは設置できなかったり、専用の「かさ上げ台」が必要になったりすることがあります。購入前に、自宅の防水パンの形状とサイズを確認し、設置可能かどうかをメーカーや販売店に確認しましょう。設置作業そのものにおいても、ドラム式特有の注意点があります。それは「水平設置」の重要性です。ドラム式は高速でドラムが回転するため、設置が少しでも傾いていると、大きな振動や騒音が発生しやすくなります。これは故障の原因にもなりかねません。設置時には、水準器を使って前後左右の傾きを確認し、本体の調整脚でミリ単位での精密な水平調整を行う必要があります。また、輸送中にドラムを固定している「輸送用ボルト」を、設置前に必ず取り外す必要があります。これを外し忘れると、異常な振動や故障の原因となります。これらの点を踏まえ、ドラム式洗濯機の設置は、縦型以上に慎重さが求められます。自信がない場合は、無理せず専門業者に依頼するのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。