ある朝突然洗面所が詰まった私の熱湯体験記

それは、いつものように慌ただしい朝のことでした。顔を洗い、歯を磨き、さて水を流そうとした瞬間、洗面ボウルに溜まった水がなかなか引いていかないことに気づいたのです。「あれ？おかしいな」と思いつつ、少し待ってみましたが、水位はほとんど変わりません。完全に詰まってしまったようでした。出勤前の時間がない中で、頭に浮かんだのは「熱湯を流せば油汚れが溶けて流れるかも」という、どこかで聞いたことのある情報でした。とにかく早く何とかしたい一心で、私は電気ケトルでお湯を沸かし始めました。沸騰した熱々のお湯を、恐る恐る洗面所の排水口めがけて注ぎ込みます。ジュワーッという音と共に、少しだけ水が流れたような気がしましたが、すぐにまた溜まってしまいました。「もう少しかな？」と思い、もう一度ケトル一杯分の熱湯を流し込みました。しかし、結果は同じ。つまりは全く解消されませんでした。それどころか、排水口の周りの金属部分が異常に熱くなっていることに気づき、なんだか怖くなってきました。もしかして、排水管に良くないことをしてしまったのではないか？そんな不安がよぎります。結局、その日は諦めて、髪の毛などが詰まっている可能性を考え、割り箸を使って排水口の入り口を探ってみましたが、特に大きなゴミは見当たりません。途方に暮れ、結局会社を少し遅刻して、帰宅後にドラッグストアでパイプクリーナーを購入することにしました。そのパイプクリーナーを使ったところ、幸いにもつまりは解消されましたが、あの時、熱湯を流した行為は正しかったのだろうかと、後になってから考えさせられました。インターネットで調べてみると、熱湯は排水管を傷めるリスクがあるという情報がたくさん出てきて、自分の軽率な判断を反省しました。もし排水管が変形でもしていたら、もっと大変なことになっていたかもしれません。洗面所のつまりは本当に厄介ですが、焦って間違った対処法をとると、かえって事態を悪化させる可能性があるのだと、身をもって学んだ出来事でした。これからは、まず原因を冷静に考え、適切な方法を選ぶようにしようと心に誓ったのでした。