私の家のキッチンは、日当たりが悪く、昼間でも少し薄暗いのが難点です。特にシンク周りは、洗い物をするとき以外はあまり電気もつけません。そんなキッチンで、数週間前から、なんだか妙な音が聞こえるようになりました。それは、洗い物をしていない静かな時に、シンク下の方から微かに聞こえる「ポタッ…ポタッ…」という、水滴が落ちるような音でした。最初は気のせいか、あるいは外の雨音か何かだろうと思っていました。しかし、晴れた日にも聞こえるし、夜、家全体が静まり返ると、その音はよりはっきりと耳に届くのです。気になり始めると、もう頭から離れません。もしかして、これは水漏れなのではないか?そんな疑念がむくむくと湧き上がってきました。意を決して、私はシンク下の扉を開けました。中は普段使わない鍋や調味料のストックなどでごちゃごちゃしています。スマートフォンのライトを頼りに、奥の方を照らしてみました。すると、一番奥の壁際に置かれた古いホーロー鍋の中に、水が溜まっているのを発見したのです。量はそれほど多くありませんが、確実にどこかから水が滴り落ちている証拠です。さらに注意深く観察すると、給湯管と思われるパイプの接続部分から、ゆっくりとしたペースで水滴が落ち、鍋の中にポタリ、ポタリと音を立てていました。あの微かな音の正体は、これだったのです。幸い、漏れている水の量は多くなく、鍋が受け止めてくれていたおかげで床が濡れる被害はありませんでした。しかし、このまま放置しておくわけにはいきません。すぐに大家さんに連絡し、状況を説明しました。後日、大家さんが手配してくれた水道業者さんが来てくれ、給湯管の接続部分のパッキンを交換してくれました。作業自体は短時間で終わり、費用も大家さん持ちだったので助かりました。今回の経験で学んだのは、日常の中の些細な変化、特に「音」に注意を払うことの大切さです。もしあの「ポタポタ音」を気のせいだと放置していたら、いずれ鍋から水が溢れ、床を濡らし、もっと大きなトラブルになっていたかもしれません。皆さんも、普段聞き慣れない音が聞こえたら、面倒くさがらずに発生源を確かめてみてください。それが、大きな被害を未然に防ぐ第一歩になるかもしれません。
シンク下からのポタポタ音は水漏れのサイン